2019年03月23日

小児アレルギー体質と免疫修業〜大人の免疫・小児の免疫〜

お子さんの「小児ぜんそく」「小児アトピー性皮膚炎」などのアレルギー疾患の症状でお悩みのご家庭も多いと思います。親として、辛い症状に耐えている我が子を見るのはとても辛いものがあります。

昨年秋に生まれたばかりの男の子が、ママにおんぶされて「小児はり」を受けにきました。

可愛らしい笑顔がとても印象的でしたが、カウンセリングでお話を伺えば、最近になって皮膚や呼吸器にアレルギー性の症状が出始めたということでした。

「花粉の影響でしょうか? 私も夫も花粉症です。今年は花粉が多かったので、この子も遺伝的に花粉症が出ているのでしょうか?」

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生後から約半年。臍帯を通して「母親から受け継いだ免疫」の効果は概ね半年と考えられています。

今回のこの子の症状が、セキュリティ・ソフトの「有効期限が過ぎました」的なものなのかどうかは確認しようがありませんが、どちらにしても、これから2歳半までが「自己の」自然免疫・獲得免疫を身に着ける大事な修業期間です。セキュリティ・ソフトのように「有効期限を更新する」はできません。

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赤ちゃんは全員、「アレルギーを起こしやすい免疫システム」を持って生まれてきます。

これは、母親の胎内にいる時「Th1という大人のリンパ球」が優位であると、自分ではない母体との間に異物反応(細胞同士の争い)が生じて流産してしまうのを防ぐ為と考えられています。

その為、母親の胎内では「Th12リンパ球」という「アレルギー反応により自分を守るシステム」が優位な状態になっています。

出生後もしばらくはその状態が続きますが、外界の雑菌やストレスにさらされることで、少しずつ大人の免疫システムに成長していくのです。

軍隊に例えれば、「海兵隊」のみの攻撃力だったものが、雑菌やウィルス、そして様々なストレスにさらされることで「海軍」並みの高度な作戦が遂行できる免疫力を獲得していくといったイメージです。

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乳児のアレルギーやアトピー性皮膚炎などは成長とともに自然治癒しやすい症状の一つです。

ただし、母親が過敏になって必要以上に清潔にし過ぎたりストレス(暑さ・寒さ、空腹感など)を感じさせないような環境を整えてしまうと免疫システムの移り変わりに時間がかかってしまいます。

*ちなみに1歳未満の子に花粉症というものは存在しません。生まれた年に花粉に感作してもアレルギー反応が出るのは「抗体」ができてから翌年の花粉の時期になるからです。

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生まれてから免疫力が身に着くまでの期間(2歳半まで)は「免疫修業の期間」でもあります。
様々なウィルスや雑菌、ストレスにもまれ、戦うことで一人前になっていくのです。

東洋的な考え方に基づいた「小児はり」は、免疫の過剰や不足をコントロールする「自律神経の働き」をアクティブにします。その子が本来持った「免疫獲得能力」を引き出すために「小児はり」はとても効果的だと考える次第です。

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ブログ文章 橋本昌周

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2019年03月19日

SAD(Social Anxiety Disorder )~社会不安障害~

日常生活における不安障害を思いつくままあげてみますと、

・パニック障害 ・空間恐怖症(高所・閉所など)

・特定のものに感じる個人的な恐怖症

・強迫性障害 ・全般性不安障害

・急性ストレス反応 ・PTSD(外傷後ストレス障害)

SAD(社会不安障害) と、おおまかに分類できると思います。

こんなに沢山の不安障害があります。 現代社会がいかにストレスと不安の製造機であるかが窺える気がします。

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☆SADチェッック 
下記の状況において不安や緊張を感じて声や手がふるえることがありますか?

□大勢の前で話さなければならない

□大勢の前で自己紹介しなければならない

□人前で指名されて、自分の意見を述べなければならない

□人前できちんとした挨拶をしなければならない

□権威ある人や社会的地位のある人と話さなければならない

□知らない人に電話をかけなければならない

□初対面の人とマンツーマンで話さなければならない

□面接で自分の考えや意見を伝えなければならない

□人が見ている前で署名や文字を書く

□なじみのない場所で外食をする

□上記の質問のいずれかの為に社会生活に大きな支障がある

上記の3つ以上が頻繁におこればSAD(社会不安障害)の可能性が疑えます。

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SAD(社会不安障害)とはいったいどのようなものなのでしょうか?

【症状】
人前で、話す・文字を書く・食事などをすると、強い緊張や、緊張に伴い手足のふるえ・動悸・吐き気・冷や汗を生じます。

【概念】
個人的な性格・性質(あがり症・緊張症)などと明確な区分はなく、状況に慣れることで症状が改善されればSADではなく、慣れても症状に変化がないようならばSADの可能性があると判断します。

過去の人前での大きな失敗や不安・緊張した状況が脳の扁桃体(恐怖や不安の中枢)にすり込まれ、トラウマとなり、同じような「人前」という条件に反射的に反応することも・・・。


【好発】
心療内科や神経内科を受診するのは働き盛りの年齢(人間関係が多彩で仕事上人前で失敗できず、初対面の人ともそつなく接しなければならない)が多いのですが、その人たちも初期の発症は多感な中・高生時代であることも多いようです。


【社会性】

・成人SAD患者の20%が無職です・・・面接・就職・仕事・人間関係がスムーズに行かない、能力や才能を生かせるチャンスを逃してしまう

・成人SAD患者の60%が未婚です・・・異性とうまく付き合えない→非婚や晩婚など

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当院では、このSADを、精気の虚から生じる強い上実下虚の状態であると捉えています。

さらに気が上半身下半身、左半身右半身、腹側背側などに偏ることで、手のふるえ、冷や汗、のぼせ、頭皮・皮膚や感覚の過敏、指関節の痛み、下半身の脱力感などとして発症すると考えます。


上実下虚とはどういう状態でしょうか?

疲れやストレスで体が冷えてくると、体の中で熱と冷えが上下に分かれてしまうことです。

昔のお風呂で例えますと、上がすごく熱くなって(実)下は冷たいまま(虚)の状態です。

かき混ぜて温度を均等にすると心地よいですよね。健康とはお風呂をかき混ぜた状態のことです。

ここでは熱と冷えという表現をしますが、温度の意味だけではありません。
本来ひと塊であるはずの生命エネルギーが、病的に2分された状態ともイメージできます。

分かれたエネルギーは上へ上がろうとして、上半身にたまり密度が高くなります。

上部で密度が高くなりすぎたエネルギーにより、

上半身は、のぼせや円形脱毛、頭皮の感覚過敏・鼻炎や鼻血、耳鳴り、緑内障や飛蚊症、肩こり・首の痛み、腕や指関節の痛み、手のふるえなどが生じ、おかしなものになります(上実)。

反対にエネルギーが逃げてしまった下半身は、冷えて力がなく、だるさや痺れ・痛みなどの神経症状、足裏の湿り、水虫、足指間のウオノメなどの症状が出やすくなります(下虚)。


心身の疲れや疲労をとり、栄養・休養を充実させることで、お風呂をかき混ぜるように体の中のエネルギー比率が上下均等になります。エネルギーが分離して上部に上がるのをとどめる力が湧いてきます。

昔の人が言った「頭寒足熱」という養生法もまさに的をえたものであるといえますね。

当院のバイブル「東洋医学 第1巻上実下虚論 たい焼き編」によりますと「箱詰めがへたくそなたい焼き屋のたい焼きはうちに持って帰ると、あんこが頭のほうにぎゅっと詰まって膨らんで、尻尾のほうはスカスカになっていることが多い。」ということらしいです。

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東洋的な考え方に基づいてみれば、SAD(社会不安障害)も、心身のバイタリティの低下で生じやすくなるのかなと思います。

心(例えれば脳の扁桃体)に刻まれるようなあせり、緊張、不安、恐怖のトラウマ理論も、
その時期の生活習慣やストレスなどからくる、「精気の虚」による心身の冷えが強まり、通常の人よりもより敏感に(大きなものとして)受信し、刻み込まれてしまう可能性もあると思います。

SADの初期の発症が多感な年頃に多いというのもうなずけます。

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当院ではこれを、心の冷えと身体の冷えからくる「精気の虚」により、本来全身(心)を循環し続けていなくてはならない気が偏って滞ったものと捉えます。

念のため外傷性の原因(ムチウチ、ケガや手術)の有無を確認した後、鍼灸・積聚(しゃくじゅ)治療により、全身(心)の調整から上実下虚を改善する(お風呂をかき混ぜて丁度良い温度にする)ことを目指します。*頚椎などに外傷性の問題が確認できればその部位に補助的な施術を加えます。

「原因がわかるだけでも救われる」

長年のSAD(社会不安障害)の症状で思いつめてしまっている方の中には、そう思われる方もいらっしゃるかも知れません。

全てのSAD(社会不安障害)の原因が「上実下虚」だとは決めつけられませんが、発症した時期のご自身の仕事や生活やそれに伴うストレスなどでどのような身体・精神の状況だったか振り返り、思い出し、考えてみられてはいかがでしょう?

また、発症が頻回で強い時と、比較的穏やかな時とで、その前までのご自分の身体・精神・生活状況などを比べてみてはいかがでしょう?

解決のヒントは睡眠・栄養・生活習慣・気分転換などによる心身の休養にあるかも知れません。

蓄積された疲労やストレスが強い場合には、東洋的な考え方に基づいた全身(心)の調整を改善策の一つに加えられるのもとても効果的だと考えます。

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2019年03月16日

インプラントからの股関節痛〜21世紀の現代病〜

「3日前から右股関節が痛くて足があがらない」という60代男性が来院されました。

病院のMRI画像診断では「異常なし」と診断されたそうです。
「異常がないのにこんなに激痛?」

痛みだけでもハリでなんとかならないだろうか、というご相談でした。

ご本人は、股関節に負担をかけたような原因は思い当たらないとのこと。

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脈やお腹などお体に現れた反応を見ていくと、何やら胃に熱がこもっているいる状態です。

臨床上、胃熱に多いのは、過食や過度の飲酒、激辛好き(胃への刺激)などが転じた「熱」。
慢性的な胃腸の「冷え」から生じる病的な熱。夏場の冷飲食が多い季節にもよく見られます。

飲食・生活習慣を伺えば、
胃腸は普段から良い調子で、飲食の乱れやアルコールもタバコも激辛もないとのことでした。

近々の出来事を伺えば、
1週間ほど前に上顎の両奥歯にインプラント(仮歯根)を植える手術を受けられておりました。

上顎の歯列は胃の経絡につながります。
胃の不調から上の歯に痛みが出ることも多いのです。

この男性、1週間前のインプラント手術が胃の経絡の変調を引き起こした可能性も考えられます。
さらに圧痛部位を細かく探っていくと、胃経のツボ「髀関」の位置と重なります。

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このような場合、股関節という「関節の痛み」を対象とするのではなく、股関節上にある、胃経の「髀関穴」に現れた熱の痛みとしてアプローチします。足が上がらない程の激痛、じっとしていても痛むのであれば「熱の実証」です。

さらに、この「熱」・「実証」も、元をただせば、熱の偏りをコントロールできないくらいに全身(心)が虚していた「精気の虚により偏ってしまった病的な熱」と考えられ、より根源的な原因である全身(心)の精気の虚を補うことを改善の第一とします。

東洋的な考え方に基づいて、全身(心)の調整から偏った熱を動かしていきます。
補助的に足の指先のツボからも刺激を加えていきます。

全身(心)のバランスが取れた結果として、「胃の熱」が動いた後には
股関節の痛みは消えていました。足もあがります。

この方の股関節には根源的な痛みの原因がなかったのではないかと思われます。
ただし、インプラントをしている限り、時間を置いての再発が懸念されます。

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歯根に何かを埋め込むという行為は、長い歴史の中で人類が経験してこなかったものです。

今回だけの(インプラントに慣れてしまえば治まる)一過の症状であれば良いのですが、現代の技術や便利が人体に及ぼす影響の予後は読み切れません。

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どんなに原始や自然の生活習慣や食事・精神的なゆとりまでを求めてみても、おそらくそれらの多くは、部分的であったり、憧れで終わってしまうことのほうが多いのではないでしょうか。

「歩きたくない」「手を汚したくない」「時間を費やしたくない」
私たちは、相当の犠牲を覚悟しなくては、もう不便な生活には戻れないのです。

エネルギー産業の廃棄物、糖質の過剰摂取、外科手術の進歩、薬剤、エアコン、サプリメント、アルカリ浄水器、そして今回のインプラントなどなど・・・
長い長い人類の歴史の中で、こんな非自然的な急激な進化は、たったこの50年間の出来事です。

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太古の人たちが憧れたであろう、現代の技術進歩・便利。それはとても素晴らしく貴いものです。
ですが、それが人体に及ぼす未知の悪影響もあるのです。

21世紀の現代病。もちろん東洋医学のバイブル、医学古典「黄帝内経」にも載ってません。

これらの現代病に関しては、現代に生きる私たちが記録して、考察して、乗り越えて、改善のアイディアを後世に残していくしかありません。

古(いにしえ)の医家たちもきっと同じことを思っていたのではないでしょうか。施術後にふと、そんな事を思った次第です。

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posted by shosyu_h at 15:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 股関節痛